創業の想い

利他の心の順送り

サカクリーニング創業地有限会社サカクリーニングは、1965年に私の父、坂治郎と妻の安子の2人で現在の本社工場がある徳島市新浜町で創業いたしました。元々親族がクリーニング業を営んでおり、そこで働いていた父は手に職をつけて独立し、経営の傍ら、町内会の会長や阿波踊りの理事など人の役に立ちたい一心で地域貢献にも力を注ぎ、地域密着のクリーニング店として愛されてきました。
私が入社したのは、1980年。病気で倒れた母から頼まれ、進学をあきらめて21歳で手伝いを始めたものの、ヒトもモノもカネもなく、年商700万足らずの小さな町のクリーニング店からのスタートでした。
1987年、27歳で代表取締役に就任し、企業向けから一般家庭向けへ舵を切り、3店舗を出店。業績も順調に伸びていきました。一方で、当時4歳の息子と3か月の娘の子育てと家業の手伝いで妻にはとても苦労をかけ、子供たちには寂しい思いをさせてしまったという自責の念もありました。
有限会社サカクリーニング 代表取締役 坂雅弘やがてこの業界にも価格競争の波が訪れ、バブル崩壊も追い打ちをかけ、思うように売上が上がらず苦しい日々を過ごしていた時に、「勉強する苦労は一瞬だが、勉強しない苦労は一生続く」という先輩経営者の言葉によって、改革を決意。2005年にはトヨタ生産方式を取り入れて平準化、自動化、ジャストインタイムによって今までにはない小ロットでのクリーニングを取り入れ、2006年からは経営計画書の明文化と発表会の開催をスタートしました。
また、毎朝の朝礼によってスタッフ間のコミュニケーションの場を作り「ありがとう」と言える社風づくりにも努めてきました。
様々な困難を乗り越えて今があるのも、利他の精神で人のために尽くしてくれた創業者である父、そして家族、縁あって巡り合ったスタッフの方々、そしてお客様のおかげと感謝しています。父から譲り受けたこの利他の心を地域の皆様、そしてこれからの次世代に順送りするためには何が必要かと考えた時に、効率や能率ばかりにとらわれて環境汚染を引き起こしているクリーニング業界特有のトレードオフを解消し、手間はかかるけれど肌にも衣類にも環境にも優しいオーガニッククリーニングによって貢献しなければならないと考え、実施する運びとなりました。
また、仕事に没頭するあまり家族に苦労をかけてしまった反省から、女性が家庭と両立できる安心・安全な職場を作ることで、家庭円満が築ける社会をつくりたいという想いからオーガニックシェアバルーンとして進化し、次世代につないで行きたいと考えております。

有限会社サカクリーニング 代表取締役 坂 雅弘

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